定款とは?
会社設立の際に必ず作成しなければならない書類です。会社を運営するうえでの基本的なルールをまとめたもので、会社の憲法ともいわれています。記載すべき事項は会社法で定められており、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3種類があります。
〈絶対的記載事項〉
定款に必ず記載しなければならない項目で、この項目が欠けていたり法律の要件を満たしていない場合は定款が無効になってしまいます。
第27条
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
1.目的
2.商号
3.本店の所在地
4.設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
5.発起人の氏名又は名称及び住所
*発行可能株式総数は絶対的記載事項には含まれていませんが、会社設立時までには定款に盛り込む必要があります。
〈相対的記載事項〉
定款への記載がなくても定款が無効になる事はありませんが、定款への記載がない場合はその項目の効力が生じません。
第28条
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
1.金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時 発行株式の種類及び種類ごとの数。第32条第1項第1号において同じ。)
2.株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
3.株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
4.株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
〈任意的記載事項〉
定款に記載してもしなくてもよい項目です。
第29条
第27条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
定款の認証とは?
定款は発起人が作成します。株式会社の場合は定款作成後に公証役場にて公証人の認証を受ける必要があります。公証役場は法務省管轄の公的機関で各都道府県に置かれています。定款認証を受ける公証役場は会社の住所(本店所在地)と同一の都道府県にある公証役場となります。
〈定款の作成〉
第26条
①株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
②前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、
電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。
この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
〈定款の認証〉
第30条
①第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
電子定款とは?
PDFで作成された定款をことで、2004年3月1日から電子定款による電子認証ができるようになりました。紙の定款にはないメリットもあるため、電子定款を選ぶケースが増えています。電子定款を利用する最大のメリットは印紙代4万円が不要になる事です。
定款を書面で作成する際、印紙税として4万円の費用を支払う必要がありますが、電子定款を利用すれば印紙税が不要となります。ただし、電子定款を作成する際に専用のソフトや機材が必要となり、それらを揃える場合は印紙代4万円と同等かそれ以上の費用がかかることもあります。
まとめ
定款は会社設立の際に必ず作成しなければならない重要な書類です。自分で作成する事は可能ですが、書面の場合は印紙代、電子定款の場合は専用ソフト・機材等の費用がかかります。また定款の作成や認証は時間と手間がかかります。費用・時間・手間を考慮して専門家に依頼した方がメリットがあるケースも多いのではないかと思います。行政書士は定款の作成、認証手続きをサポートします。定款作成でお悩みの方はお気軽にご相談ください。