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令和9年度改定に向けた「地域区分」の抜本的見直し〜公務員給与改定との連動〜

障がい福祉サービス

 障害福祉サービス等の報酬改定において、見落とせない重要な要素が「地域区分」です。現在、令和8年度の臨時的な報酬見直しが進められていますが、その先の令和9年度定期改定に向けて、地域区分のあり方が大きく変わろうとしています。

今回は、なぜ地域区分が見直されるのか、そして事業所の経営にどのような影響があるのかを詳しく解説します。

地域区分とは?(人件費の地域差を調整する仕組み)

 地域区分は、地域における民間の賃金水準を反映し、人件費の地域差を報酬単価に反映させるための仕組みです。

  • 計算方法:

 1単位10円を基本とし、地域別の上乗せ割合(0%〜20%)にサービスごとの人件費割合を乗じて算出されます。

  • 現在の区分:

 1級地(20%)から7級地(3%)、および「その他(0%)」の計8区分が設定されています。

例えば、東京都特別区(1級地)で人件費割合60%のサービスを提供した場合、1単位は11.20円となります。

1. なぜ今、見直しが必要なのか?(公務員地域手当の広域化)

 地域区分は原則として、公務員の「地域手当」の級地に準拠しています。この地域手当について、令和6年8月の人事院勧告により、以下のような抜本的な見直しが示されました。

  • 単位の広域化:

 級地を設定する地域の単位を、従来の「市町村単位」から「都道府県単位」を基本とする形へ広域化します。

  • 級地のシンプル化:

 現在の7区分から、20%、16%、12%、8%、4%の「5区分」へと再編されます。

この公務員側の変更は令和7年度から段階的に実施されるため、障害福祉サービス等報酬においても、これに合わせる形で令和9年度改定に向けた検討が始まりました。

2. 今後のスケジュールと「経過措置」

 地域区分が変われば、同じサービスを提供していても報酬単価が上がったり、逆に下がったりする自治体が出てきます。

  • 市町村への意向調査:

 令和8年2月〜3月にかけて、令和9年度以降の地域区分の設定等について、各市町村への調査が実施される予定です。

  • 経過措置の適用:

 急激な報酬単価の変動を緩和するため、市町村の意向に基づき、3年かけて段階的に引き上げ・引き下げを行うなどの経過措置が認められます。

  • 特例措置:

 「高い級地の地域に全て囲まれている」など、公平性を欠く状況にある自治体に対しては、隣接地域の状況を踏まえた調整(特例)も検討されます。

3.今後の経営戦略への影響

 地域区分の見直しは、事業所のキャッシュフローを中長期的に左右する重要な変更です。

  • 都道府県単位への広域化の影響:

 自分の事業所がある市町村が、都道府県全体の水準に統合されることで、級地が上がるのか下がるのかを注視する必要があります。

  • 市町村の意向が重要:

 地域区分の最終的な設定や経過措置の適用には、市町村の判断(意向)が大きく関わります。地元の自治体がどのような方針を持つか、情報収集が欠かせません。

  • 介護報酬との連動:

 障害福祉の地域区分は、原則として介護報酬と同じ区分とすることを基本としています。そのため、介護保険側の動向も併せて確認することが重要です。

まとめ

 令和8年度の「臨時応急的な対応」がサービスの質の適正化を狙うものであるのに対し、令和9年度の「地域区分の見直し」は、報酬の基盤となる単価そのものの再編です。

事業者の皆様は、令和8年に行われる自治体への意向調査の結果に注目し、次期改定を見据えた安定的な経営計画を立てることが求められます。

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