「自分には身寄りがないから、相続の準備なんて必要ない」 そう考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、もしあなたが遺言書を残さずに亡くなった場合、あなたの預貯金や不動産などの財産が最終的にどこへ行くか、ご存知でしょうか。 実は、法律上の手続きを経て、最終的にはすべて「国庫」へ帰属する、つまり国のものになると決められています。
今回は、大切な財産をあなたの意志で活用するための「遺言書」の役割についてお伝えします。
財産を国庫に帰属させないための準備
1. 相続人がいないと、財産は「国」へ
配偶者、子、両親、兄弟姉妹、そして甥や姪。こうした「法定相続人」が一人もいない場合、家庭裁判所によって「相続財産清算人」が選任され、債務の支払いや特別縁故者(療養看護に努めた人など)への分与といった手続きが行われます。
そして、それらすべての手続きが終わった後に残った財産は、法律によってすべて国に帰属することになります。
「せっかくなら、お世話になったあの人に届けたい」 「自分が大切にしてきた活動を支援したい」 そう願っても、遺言書がなければその願いが叶うことはありません。
2. 遺言書で「財産の行き先」を自由に決める
遺言書があれば、法定相続人の有無にかかわらず、あなたの財産を「あなたが指定した人や団体」に託すことができます。これを「遺贈(いぞう)」と呼びます。
例えば、以下のような選択が可能です。
- お世話になった個人へ: 長年親交のあった友人や、身の回りのお世話をしてくれた知人に感謝として贈る。
- 応援したい団体へ寄付: 医療、福祉、環境保護、母校の奨学金制度など、社会貢献に役立ててもらう(遺贈寄付)。
- 自治体へ: 住み慣れた地域社会の発展のために寄付する。
3. 「人生の集大成」を自分の意志で
遺言書を書くことは、自分の人生の価値をどう次世代に繋げるかを決める、前向きな作業です。
「国に納められるのは少し寂しいな」 「自分の財産が、誰かの役に立つ喜びを感じたい」
そう思われるのであれば、ぜひ遺言書という形にして残してください。特におひとり様の場合は、財産の行き先だけでなく、葬儀や家財道具の片付け(死後事務)についても併せて考えておくことが、周囲への最大の思いやりとなります。
結びに:想いを形にするお手伝いをします
法定相続人がいない場合の遺言書作成には、財産の特定や、あなたの代わりに遺言を確実に実行する「遺言執行者」の指定など、注意すべき点がいくつかあります。
あなたがこれまで歩んできた人生の証である財産が、あなたの望む形で誰かの力になれるように。 行政書士として、その想いを形にするためのお手伝いを心を込めてさせていただきます。
まずは、あなたの「想い」を聞かせていただくことから始めませんか?


