障害福祉サービスにおいて、突発的な支援ニーズに対応する体制整備が求められています。令和6年度の報酬改定で新設された「緊急時受入加算」は、地域生活支援拠点等の役割を担う事業所が、夜間の緊急支援を実施した際に評価される加算です。本記事では、その算定要件と実務ポイントをわかりやすく解説します。
緊急時受入加算とは?
一定の要件を満たす事業所において、障害の特性に起因して生じた緊急事態等の際に、当該利用者又はその家族等からの要請に基づき、夜間に支援を行った場合に算定できる加算です。
対象サービス
生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労選択支援
加算単位
100単位/日
加算要件
以下のいずれも満たす必要があります。
- 地域生活支援拠点等として位置づけられていること
- 市町村及び拠点関係機関との連携・調整に従事する者を1以上配置していること
- 障害の特性に起因して生じた緊急事態等の際に、夜間に支援を行った場合
留意点
• 地域生活支援拠点等として市町村に位置づけられていること
市町村との事前協議・届出・通知により、機能確認が済んでいること。協議会等での周知も必要です。
• 連携担当者を1名以上配置していること
緊急時対応に加え、平時から相談支援事業所等との情報連携や会議体への参画が求められます。
• 算定対象は、障害特性に起因する緊急事態で夜間支援を実施した場合のみ
障害特性に起因する緊急事態で夜間支援を実施した場合のみが対象。短期入所の代替ではない点に注意が必要です。
• 設備・職員配置
就寝設備を有し、夜間帯に1名以上の職員が配置されていることが条件です。
まとめ
緊急時受入加算は、障害福祉サービスにおける即応性と地域支援体制の強化を目的とした重要な制度です。算定には複数の要件があり、特に夜間支援体制や市町村との連携が不可欠です。制度の趣旨を理解し、現場での対応力を高めることで、より安心できる地域支援の構築につながります。