就労移行支援事業所において、利用者様の理想の就職を実現するために欠かせないのが、企業開拓や実習の調整、ハローワークへの同行といった施設外で行われる支援です。しかし、こうした手厚い支援にかかるスタッフの労力や時間は、日々の業務の中で正しく評価・算定できているでしょうか?
「移行準備支援体制加算」は、実習の事前面接や職場訪問、関係機関への登録など、就労に向けた具体的な準備プロセスを幅広く評価してくれる重要な加算です。
本記事では、意外と見落としがちな算定対象となる具体的な活動範囲や、運用のための必須要件を分かりやすく解説します。
移行準備支援体制加算とは?
施設外支援の実績が一定程度ある事業所において、職場実習や求職活動等について、職員が同行して支援を行った場合に算定できる加算です。
対象サービス
就労移行支援
加算単位
41単位/日
算定要件
以下の前提条件を満たした上で、支援内容(①または②)を行った場合
〈前提条件〉
実績要件: 前年度に施設外支援を行った利用者の数が、利用定員の50%を超えていること。
手続き: 上記の実績をあらかじめ都道府県知事に届け出ていること。
〈支援内容の要件〉
以下の①、②のいずれかを実施していること
① 職場実習などを行う場合
企業や官公庁等で職場実習を実施する際、1つの実習先につき「1ヶ月以内」の期間に限り、事業所の職員が現地へ同行して支援を行うこと
② 求職活動などを行う場合
公共職業安定所(ハローワーク)、地域障害者職業センター、または障害者就業・生活支援センターを訪れる際、事業所の職員が同行して支援を行うこと
留意点
本加算の対象となる「職場実習等」および「求職活動等」の具体的な内容は以下のとおりです。なお、いずれも職員が同行するか、あるいは職員のみで活動を行った場合に算定が可能となります。
① 職場実習などの具体的な内容
ア 企業及び官公庁等における職場実習
イ アに係る事前面接、期間中の状況確認
ウ 実習先開拓のための職場訪問、職場見学
エ その他必要な支援
② 求職活動などの具体的な内容
ア ハローワークでの求職活動
イ 地域障害者職業センターによる職業評価等
ウ 障害者就業・生活支援センターへの登録等
エ その他必要な支援
まとめ
「移行準備支援体制加算」は、利用者様の就職活動を多角的にサポートする事業所の努力を正しく評価するための制度です。
実習先の開拓から、面接同行、関係機関との連携まで、その対象範囲は多岐にわたります。今回ご紹介した要件を改めて振り返ると、重要なポイントは以下の3点です。
- 前提条件: 前年度の施設外支援実績が「定員の50%超」であることを届け出ていること。
- 幅広い活動: 実習そのものだけでなく、事前の面接や開拓のための訪問も対象。
- 算定の鍵: 「職員の同行」だけでなく「職員のみの活動」も認められていること。
「どの活動が加算になるのか」をスタッフ全員が正しく理解しておくことは、算定漏れを防ぐだけでなく、利用者様へのさらなる支援の充実にもつながります。算定要件を正しく把握し、日々の地道な支援をしっかりと形にしていきましょう。一つひとつの活動を報酬につなげることが、結果として利用者様の「理想の就職」を支える力強い一歩になります。



