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障がい福祉サービス|特定事業所集中減算

障がい福祉サービス

 令和7年10月から新たにスタートした「就労選択支援」。この新サービスの大きな目的は、障がいのある方が自分の希望や適性に合ったより良い選択を、納得感を持って行えるように支援することにあります。そのために特に重視されているのが、事業所の「中立性・公正性」です。せっかくアセスメントを実施しても、結果として特定の事業所へ誘導されるような状況では、本人の真の選択を支えているとは言えません。

こうした特定事業所への集中を防ぐために設けられているのが、「特定事業所集中減算」の仕組みです。具体的には、アセスメントの結果、就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型のいずれかのサービスを利用した方のうち、同一法人が提供するサービスの利用割合が80%を超えた場合に、減算が適用されるというものです。

本記事では、実務者が必ず押さえておくべき判定基準や、減算の対象外となる「正当な理由」の考え方について、分かりやすく解説していきます。

特定事業所集中減算とは?

 就労選択支援事業所において、判定期間(前6ヶ月間)に実施したアセスメントの結果に基づき、利用者が利用した「指定就労移行支援」「指定就労継続支援A型」または「指定就労継続支援B型」のそれぞれの提供総数のうち、同一の運営法人(事業者)によって提供された割合が80%を超えている場合に適用される減算です。

対象サービス

就労選択支援

減算単位

所定単位数から200単位を減算

算定要件

 就労選択支援事業所において、判定期間(前6ヶ月間)に実施したアセスメントの結果に基づき、利用者が利用した「指定就労移行支援」「指定就労継続支援A型」または「指定就労継続支援B型」のそれぞれの提供総数のうち、同一の運営法人(事業者)によって提供された割合が80%を超えている場合

留意点

(1)判定期間と減算適用期間

  • 判定期間が前期(1/1-6/30)の場合、減算適用時期は10/1-3/31までとなります。
  • 判定期間が後期(7/1-12/31)の場合、減算適用時期は4/1-9/30までとなります。

(2)判定方法

 事業所ごとに、判定期間に就労選択支援の利用が終了した利用者について、その後のサービス利用において、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型につながった件数をそれぞれ算出し、移行した人数が多い法人(移行率最高法人)が占める割合を計算し、いずれかについて80%を超えた場合に減算となります。

計算式:

移行率最高法人につながった利用者数 ÷ 利用者数

(3)算定手続き

 指定就労選択支援事業所は、下記の事項を記載した書類を作成し、算定の結果が80%を超えた場合は以下期日までに都道府県に提出しなければなりません。また、80%を超えなかった場合でも書類を5年間保存しなければなりません。

〈80%を超えた場合の書類提出期限〉

 判定期間が前期の場合 9/15まで

 判定期間が後期の場合 3/15まで

〈書類の記載事項〉

ア 判定期間において就労選択支援の利用が終了した利用者の総数

イ 就労移行支援等のそれぞれにつながった利用者数

ウ 就労移行支援等のそれぞれの移行率最高法人につながった利用者数並びに移行率最高法人

  の名称、住所、事業所名及び代表者名

エ (2)の算定方法で計算した割合

オ (2)の算定方法で計算した割合が80%を超えている場合であって正当な理由がある場合

  においては、その正当な理由

・書類作成時において、判定期間に就労選択支援の利用は終了したものの移行先が決まっていない利用者については、判定期間の算定対象には含めず、移行先が決まった時点の判定期間の算定対象とすることが求められます。

(4)正当な理由の範囲

正当な理由の例としては、以下のようなものが挙げられます。

ア 就労選択事業者の実施地域に就労移行支援等がサービスごとでみた場合に5事業所未満で

  ある場合など、サービス事業所が少数である場合

イ 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算、高次脳機能障害者支援体制加算を受けている場合

ウ 判定期間において就労選択支援の利用を修了した利用者のうち、それぞれのサービスにつ

  ながった件数が5件未満であるなど、サービスの利用が少数である場合

エ サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集 

  中していると認められる場合

オ その他正当な理由と都道府県が認めた場合

まとめ

 就労選択支援における「特定事業所集中減算」は、単なる事務的なルールではありません。利用者が自分の希望や適性に合った働き方をフラットに選べる環境を守るための、極めて重要な仕組みです。

実務においては、以下の3点を常に意識しておきましょう。

  • 80%という基準値の把握:特定の事業所への紹介が偏っていないか、定期的にモニタリングを行いましょう。
  • 書類の作成と適切な保管:減算に該当しない場合であっても、判定に関する書類には5年間の保存義務がある点に注意が必要です。
  • 「正当な理由」の論理的整理:地域資源の不足など、やむを得ず特定の事業所に集中してしまう場合は、その背景を客観的に説明できる資料をあらかじめ準備しておきましょう。

「本人の希望や適性に合っているか」という視点を第一に、中立公正なアセスメントを実施することが、結果として減算リスクの回避、そして事業所としての信頼向上につながります。新制度の導入期は不明な点も多いかと思いますが、まずは正確な記録を残すことから始めていきましょう。

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