飲食店を営業するには、食品衛生法に基づく許可が必要です。無許可で営業すると、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。申請は管轄の保健所で行い、施設検査に合格すると営業許可証が交付されます。本記事では、許可申請の流れについて詳しく解説します。
飲食店営業許可申請の流れ
STEP1 保健所に事前相談
店舗の設計図を持参し、施設基準を満たしているか確認。
STEP2 営業許可を申請する
施設所在地を管轄する保健所に申請書を提出(電子申請も可能)。
STEP3 施設検査日程の調整
保健所の担当者が店舗を訪問し、設備や衛生管理の基準を確認。
STEP4 営業許可書が交付
基準を満たしていれば、許可証が発行される。
主な要件
施設の衛生基準
- 調理場は客席と適切に区分
- 手洗い設備を衛生的に設置
- 給排水の清潔な供給と適切な排水管理
- 食材保管用の冷蔵・冷凍設備の設置
- 効果的な換気設備の導入
- 床・壁・天井は清掃しやすい材質であること
食品衛生責任者の設置
- 資格要件:食品衛生責任者講習会の受講が必要(調理師免許などを持っている場合は不要)
- 配置義務:営業施設ごとに1名以上の食品衛生責任者を設置
その他の要件
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜0時~6時に酒類を提供する飲食店は、営業開始前に管轄の警察署へ届出を提出する必要があります。
- 防火管理者の選任
飲食店の収容人数が30人以上の場合、防火管理者の資格取得が必要です。資格を取得するには、所定の防火管理講習を受講し、修了証を取得する必要があります。
- 食品製造販売の許可
食品を製造・販売する場合は、飲食店営業許可とは別に、業種ごとの営業許可や届出が必要な場合があります。
- 立地要件
地域によっては営業が制限されることがあり、住宅専用地域などでは営業が認められない場合があります。
許可申請
申請書類
- 営業許可申請書 1通
- 施設の構造および設備を示す図面 2通
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの
- 水質検査成績書
- 許可申請手数料
- 登記事項証明書(法人の場合)
手数料
営業許可申請にかかる手数料は、管轄の保健所によって異なります。
大阪市の場合、新規申請の手数料は16,000円です。
審査期間
営業許可証の取得までの目安となる期間は、約2~3週間です。
申請内容や審査状況により、期間が変動する場合があります。
更新
営業許可証は取得後も更新が必要です。
更新の頻度は自治体ごとに異なりますが、一般的には5~8年ごとに設定されています。
まとめ
飲食店の営業には食品衛生法に基づく許可が必要です。許可を得ずに営業すると、罰則として2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される場合があります。申請は管轄の保健所で行い、施設検査に合格すると営業許可証が交付されます。
申請の流れは、①保健所への事前相談、②営業許可申請、③施設検査、④許可証の交付という4ステップです。店舗の衛生基準を満たすことが重要で、調理場の区分や設備要件が求められます。また、食品衛生責任者の設置も必須です。
さらに、深夜に酒類を提供する場合は警察署への届出が必要であり、収容人数30人以上の店舗では防火管理者の資格が求められます。申請時には、必要書類の準備や手数料の支払い(大阪市の場合16,000円)が必要です。許可は5~8年ごとに更新されるため、適切な管理を続けることが重要です。申請でお悩みの方はお気軽にご相談ください。