障害福祉サービスにおける「送迎加算」は、利用者の通所支援を支える大切な仕組みです。通所困難な方々の社会参加を後押しし、事業所の運営や家族の負担軽減にもつながるこの加算制度について、わかりやすく解説します。
送迎加算とは?
送迎加算は、障害福祉サービス事業所が、利用者の居宅や他の事業所との間で送迎を行った際に、報酬に加算される制度です。サービスの種類によって加算単位が異なり、加算要件も一部異なる点に注意が必要です。
本記事では、生活介護・自立訓練・就労系サービスにおける送迎加算の仕組みについて解説します。
対象サービス
生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労選択支援
*重度障害者等包括支援、短期入所、児童発達支援、放課後等デイサービスは除く。
加算区分
送迎加算(Ⅰ) 片道につき21単位
送迎加算(Ⅱ) 片道につき10単位
※同一敷地内の他事業所間の送迎は70%を算定
算定要件
送迎加算(Ⅰ)
送迎加算(Ⅰ)を算定するには、以下の2つの要件をいずれも満たす必要があります。
- 1回の送迎につき平均10人以上が利用していること
(利用定員が20人未満の事業所では、1回の送迎につき定員の50%以上が利用者が利用)
- 週3回以上の送迎を実施
送迎加算(Ⅱ)
送迎加算(Ⅱ)を算定するには、上記2つの要件のいずれかを満たす必要があります。

送迎を外部事業者に委託する場合であっても、送迎加算の算定対象として差し支えありません。ただし、利用者に対して直接、公共交通機関の利用費用を給付する形態の場合は、送迎加算の対象外となる点に留意が必要です。
まとめ
送迎加算は、障害福祉サービスを安心して利用できる環境づくりを支える制度です。事業所が送迎体制を整える際の費用を補うことで、移動が困難な方でも安心して通所できるようになり、社会参加の機会が広がります。また、事業所の運営負担の軽減やご家族の支援にもつながり、地域全体でサービスを届けられる体制づくりにも役立っています。