新型コロナウイルスの流行をきっかけに、障がい福祉の現場でも、感染症への備えがこれまで以上に求められるようになりました。特に、入院が困難な状況下では、施設内で療養体制を整えることが、利用者の命と生活を守るうえで欠かせない取り組みとなります。
こうした背景のもとで創設されたのが、「新興感染症等施設療養加算」です。この加算は、感染拡大時に、適切な感染対策を講じたうえで施設内療養を実施した場合に、算定できる加算です。
本記事では、この加算の趣旨や算定要件について、わかりやすく解説していきます。
新興感染症等施設療養加算とは?
新興感染症等の発生時に、相談対応、診療、入院調整等を行う医療機関を確保している施設において、適切な感染対策を行った上で、施設内療養を行った場合に算定できる加算です。
対象サービス
施設入所支援、共同生活援助、福祉型障害児入所施設
加算単位
240単位/日
※1月に最大5日間、所定単位数を加算できます。
算定要件
厚労大臣指定の感染症に利用者が感染した場合、相談・診療・入院調整等が可能な医療機関を確保し、適切な感染対策を講じた上で支援を行った場合
留意点
- 新興感染症等施設療養加算は、新興感染症のパンデミック発生時に障がい者が施設内で感染した場合、必要な感染対策や医療機関との連携体制を確保したうえで、感染した障がい者の療養を施設内で行うことを評価すものです。
- 対象の感染症については、今後のパンデミック発生時等に必要に応じて厚生労働大臣が指定します。令和6年4月時点においては、指定している感染症はありません。
- 手洗いや防護具の着用などの標準予防策の徹底、ゾーニング、全入所者の健康観察などを行うことが適切な感染対策とされます。具体的な方法は「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル(入所系)」を参考にしてください。
まとめ
新興感染症等施設療養加算は、感染症の拡大時においても、障がいのある方が安心して療養できる環境を整えるための制度です。加算の算定には、医療機関との連携体制や適切な感染対策の実施が求められますが、これらは利用者の命と生活を守るために欠かせない取り組みでもあります。
今後のパンデミックに備え、制度の趣旨や算定要件を正しく理解し、必要な体制づくりを進めておくことが、現場にとって心強い備えとなります。感染対策の具体的な方法については、厚生労働省のマニュアルも参考にしながら、日頃から準備を整えておくことが大切です。


